2013年9月20日金曜日

シケンジョに展示中の面白テキスタイル「シケンジョ工場のハンガーコレクションズ」

シケンジョの工場にある試織布の一部をご紹介いたします。

「シケンジョ工場のハンガーコレクションズ」です。

これらは、研究開発の過程における画像処理技術のテストであったり、新しい染色技術を使った糸の製織テスト、及び試作品開発等により生まれました。



いつも人気の「PAKIPAKI」とその初期プロトタイプ(右側)。

テキスタイルデザイナー高須賀活良さんデザインの「ビセイブツ」。

 収縮糸の使用量の違いによる表面の凸凹感をテストしました。


「外壁風」
建築材料の模様が布になったら面白そうだなと思って作りました。

高精細織物の作製技術を試した初期の布です。

屋根材のガルバリウム風なんかは、傘生地にして雨水が溝に沿って流れないだろうか、と想像したり・・。

「外壁」のサイディング風シリーズで、密度がそんなに高くないにもかかわらず、梨の皮表面の様にザラザラした組織パターンを作製した結果、けっこう固めの生地ができました。

固さのイメージを出したくて、即興で鶴を折ってみました。

織りたてほやほやで樹脂加工などはしてないのですが、わりと・・固いです。


「ピクセルずらし」

画像処理段階でフォントにノイズを加えてみたものです。

柄として「ほぐし織り」風を目指しました。 

茶金の色糸は初期の銀染「ginzoeme」糸を使用。

他にも銀染糸を用いたものでは・・。
「ツタンカーメン」と名付けた布や・・。


「霜降り」と名付けたものがあります。

透明ナイロン糸を利用した凝った作りになっていて。

光線の加減で霜降りのような柄が浮き出たり、消えたりします。

この技を用いて、牛肉柄が織れないだろうかと考えたこともありました。


「モザイクタイル」


「QR」

QRコードをそのまま織り組織としてみましたが、読み込めず開発途中。

「毛皮風」


柔らかいテキスタイルですので。

引っ掻きすぎると、

流血します(赤い糸)。

これは、わざとハサミでカットしたものですが・・。



シケンジョの機械電子部主任研究員の方からアイデアをいただきました。

スリットアニメーションで動く布」に多重織り技術を駆使して着手してみたものの・・・動かない。

スリットはフィルムで精巧に作った方が良さそうだ、という結論に至り、未完成のテキスタイル。



 スリットのでき具合が重要。

糸でスリットを構成する(網のようなイメージ)ことは困難でしたので・・・。

いいスリットがフィルム等で作製できれば、手がパタパタ動くハズなのですが・・・。


TATAMI テキスタイル

商品化していただける産地の企業等、募集中です。 

右側のものは初期のプロトタイプで、陰影が強すぎて(カビ風)になってしまったためNGのもの。


近くでみると畳に見えない微妙なさじ加減を狙っています。 

写真のは50cm近い幅になっています。

現在はネクタイ織機等により、9cmでリピートするような織物パターンを考案中です。



「Zoo」

赤、青、黄、赤、青、黄・・・・・の順列によるよこ糸。

これらの配合具合で色目が決まります。

それを制御するのは「組織」と呼ばれるリピートするパターンですが。


これらのカスタムパターンにおいて、多重織りの複雑なパターンを作り、それぞれ試してみたテキスタイルです。



マス目の柄で作製し、どのパターンが良いか選ぶための見本生地。


高精細織物作製技術によるフルーツ柄、フルカラーを確立する手前の中期タイプです。



「滲む糸」PAKIPAKI開発過程での副生成物。


ヨコ糸をランダム(シケンジョ開発ソフト「乱縞メーカ」使用)にした、同じくPAKIPAKI開発過程での副生成物。

他、ニードルパンチ加工のテキスタイル等を展示中です。

ご興味のある方はシケンジョまで。

(上垣)