傘の縫製会社、清水洋傘店に行ってきました。
郡内織物産地は高密度、長繊維織物を得意としているため、密度を高くして織らなくてはいけない傘生地も昔からの名産品の一つとなっています。
今回はシケンジョの研究の一環である「濡れ巻き整経」を使った生地での傘の制作を、清水洋傘店に依頼発注しました。
その時の制作風景や職人がとてもかっこよかったので、すこし写真をのせようと思います。
まずは、自分でつくられたという傘の裁断用の定規で三角形に生地をカットしていきます。
壁には傘の大きさや形に合わせた様々な形をした定規が壁一面にかっかていました。
使い込まれた道具は何とも言えない歴史の厚みとオーラを放っています。
傘のアールを出すために、少しカーブのかっかた定規を使用します。
定規はすべて手づくり!見習いだったころはこの定規を作るのが大変だったみたいです。
三角形に裁断された傘生地。
机に刻まれた裁断用包丁の痕。
テンポよく傘生地を裁断していきます。
傘を束ねるバンド部分を縫うミシン。
ミシンに取り付ける金具。
いろいろな種類があり、金具を付け替えることで三巻や四巻き縫いができます。
縫製する糸は傘生地の色に合わせるために、様々な色がストックされています。
次の工程は三角に裁断した傘生地の縫製。
生地を傘の形に仕上げていきます。
縫製がずれると、傘にしたとき雨が漏ってくるので、寸分たがわない丁寧な仕事が必要となります。
最後は手縫いで傘の骨と縫製したモノとを丁寧に繋いでいきます。作りが粗悪な傘は縫いつけることはしません。やはり縫いつけることで丈夫さも変わってきます。
傘といえばビニール傘が主流になっていますが、この様に確かなモノづくりに裏打ちされた確かなモノを見ると傘に対する思いも変わってきます。
山梨県にいらした時には、郡内の傘を買って、本物を味わってみてはいかがでしょうか?
(高須賀)