富士吉田と比べると、面積も人口もひとケタ小さな町ですが、
ハイキングで人気の三つ峠や、豊富な湧水などの自然に恵まれています。
特に、織物に深い関わりのある水については、
水がきれいなところでないと咲かないといわれるバイカモ(写真)や、
趣のある水路など、
街を歩けば水の都を感じさせる風景に出会うことができます。
そんな西桂町に、昨年ひとつのテキスタイルブランドが生まれました。
その名は、TANSAN TEXTILE (タンサン テキスタイル)。
ちょっと変わったその名前の由来を聞くと、
「炭酸水」のようにシュワッとした刺激で、暮らしを楽しくするデザインを!
というコンセプトがあるそうです。
西桂町からこのブランドを発信しているのは、「炭酸デザイン室」。
「炭酸水」にちなむ名前のブランドを発信しているお二人の名前にも、
「水」、「井」という、水に関係する漢字が入っています。
まさに水の里、西桂にぴったりですね!
お二人とも東京造形大学テキスタイルデザイン専攻の卒業生で、
井野さんはじつはFUJIYAMA TEXTILE PROJECTに参加し、
富士吉田の舟久保織物さんとのコラボに取り組む学生としてヤマナシ産地に通い、
「harefune(ハレフネ)」というブランドをデザインした経験の持ち主。
富士吉田の舟久保織物さんとのコラボに取り組む学生としてヤマナシ産地に通い、
「harefune(ハレフネ)」というブランドをデザインした経験の持ち主。
卒業後、同じ専攻の水野さんと結婚、そして山梨に移住して
二人でアトリエを構えて起業し、ブランドを立ち上げました。
二人でアトリエを構えて起業し、ブランドを立ち上げました。
こんな風に山梨に移り住んでビジネスを始める若者がいるというのは、
地方の人口減が懸念されるこのご時世、本当にありがたいことです。
しかもそれがデザインで勝負するテキスタイルブランドであるというのは、
産地の知名度を高め、魅力を発信していこうとしている
ヤマナシ産地としてなんと心強いことでしょう!
今回のシケンジョテキは、西桂で一軒家の空き家を借りて改装し、
自分たちのブランドをデザイン、発信しているこの炭酸デザイン室をご紹介します!
清流をたたえた桂川からほど近い、とある一軒家が炭酸デザイン室。
中に入ると、ブランドカラ―のグリーンが目に飛び込んできます。
そしてグリーンの背景は白。
古い建物の良さをそのまま活かし、リノベーションしたアトリエは白く塗られ、
古い建物の良さをそのまま活かし、リノベーションしたアトリエは白く塗られ、
そのなかに TANSAN TEXTILE の色鮮やかな製品が置かれています。
TANSAN TEXTILE の製品は、プリントしたフェルトでつくられたラグや小物、プリント生地で作られたバッグなどの雑貨です。
生地やフェルトに描かれたファンタジックな柄は、水野さん、井野さんお二人によるデザイン。
心の中に映る「街」をモチーフに描かれることが多いそうです。
いつか、TANSAN TEXTILE のデザインの中に、ヤマナシの街の風景も映し込まれていくのかも?
TANSAN TEXTILE は、明るく魅力的なデザインが評価され、
全国の百貨店やセレクトショップなどで取り扱いが広がり始めています。
西桂の光と風と水の流れに触れながら、
山なみのある風景のなかで日々を暮らし、デザインを生み出していくお二人。
西桂から発信するテキスタイルが、日本全国、世界へと届く日も近いかも知れません。
(五十嵐)