「妙高富士染工場」さんです。
だいたい常に300Kgの糸が自然乾燥されています。
代表取締役社長の萱沼(兄)さん。とても話やすい方です。
ご兄弟ともに染色の職人さんで、染色暦30年のプロフェッショナル。
高圧染色機、ポリエステルは130℃で染めます。他の素材も95℃等で染色可能です。
こちらは10Kg染色できるタイプ。
梁がかっこよかったので撮影。写真に写っていませんが、重い糸の竿達を支えていました。
こちらは50Kgタイプ。 「髪と羊と絹と」のコーナーにて、各種繊維の細さが断面でわかります。このように細い糸を、高い品質のテキスタイルや製品にするため、糸へダメージを与えずに染料をしっかりと固着させる職人技術が必要となってきます。
染色機の 裏側。蒸気のパイプラインとわっか状の糸の束「かせ」を回転させる歯車。
ボイラーの燃料はおそらく昔の2倍以上高騰しているのでは・・・。
色を調合する場所。1種類の濃度調整で1つの色を出すこともあれば、何種類も微妙な配合で色を出すこともあります。例えば、黒でも赤っぽい、青っぽい、緑っぽい黒があります。
一番、難しいのはくすんだ淡い系統の色だそうです。
染料以外にも多くの種類の薬助剤を扱います。こちらはよく使う「ボウショウ」。
自然乾燥後の一時的な待機場所。
前処理⇒染色⇒フィックス(色固定)⇒洗い(ソーピング)を経た、乾燥工程がこちら。
糸はカラカラに乾くと、静電気でトンデモナイことになりますので、若干湿っていると後々の工程(たて糸を巻く、織る)にも良いそうです。
以上、富士山麓の染め工場「妙高富士染工場」さんでした。
次回は、これら染めた糸を、たて糸の巻物(ビーム)を作製する「整経(せいけい)業」についてまとめたいと思っています。
(上垣)