実際にそのようにして織り続け、ほぼ元の生地の長さぶんの織物ができました。
織る前の生地との比較がこちらです。
太い糸を織り込んだせいか、少し短くなりました。
両手のように見えるのは、後でなにかに使うとき結べるように、
長い緯糸を織り込んだものです。
頭のように見えるのは、あまった経糸です。
もともとはシャトルで織った緯糸だったので、耳のところの折り返し部分が
ループになっています。
元の生地は、(有)テンジンさんから特別に分けていただいた
コットン(経糸)×リネン(緯糸)の織物。
このタテヨコを90度回転し、リネン(緯糸)を経糸に使い、
別の織物の経糸に使っていた紺色のリネン糸を緯糸に使って織ったもので、
リネン100%です。
経糸と緯糸の関係が錯綜しており、わかりづらくてすみません。
まるで地層のように、さまざまなパターンが積み重なっています。
この写真の上から下の方へ向かって織り進めています。
上から下に向かって、だんだん細くなっているのは、
途中で何本か、経糸が外れて抜けてしまったためです。
次回は、次のように抜けないようにする工夫をしたいと思います。
*案1 定規になにかパーツを付けて、左右から糸が落ちないようにする。
*案2 経糸が外れないようクリップをいくつかつけて織る。
なお、この織物の経糸は25~30本程度あります。
上の図解の組織図は、そのうちごく一部だけを示しています。
また左右の耳にあたる両端の経糸だけは、組織図に関係なく、
上、下と交互に織られています。
詳しくは前回の図解をご覧ください。
どのくらい時間がかかった?
織るのにかかった時間は、6~8時間ほどです。
毎晩ごはんのあとに少しずつ織って、作業日数は4日ほど。
機械で織るのに比べたら、そうとう長い時間が掛かります。
でも、手を動かしている時間は、不思議な楽しさがあり、
さあ、今日はどんな織り方をしようかな、と
毎日の作業が楽しみにもなりました。
いつか見たテレビ番組で、フランスの田舎にある手芸屋さんの名前に
”La main qui pense” =考える手
というのがありました。
リビングで織っている間の時間は、頭で考えているのか、手で考えているのか
区別がつかないような感覚がありました。
このフランス語が表しているのはこういうことか!
と納得できたように思います。
簡単な道具でできる『定規織り』、
みなさんも良かったらチャレンジしてみてください!
みなさんも良かったらチャレンジしてみてください!
(五十嵐)