2026年10月23日金曜日

『甲斐絹物語』展が県立博物館で開幕!

山梨県立博物館(かいじあむ)にて、企画展『甲斐絹物語』が始まりました!





『甲斐絹物語』は、山梨県の郡内織物産地の技術的ルーツである、幻の伝統織物「甲斐絹」をテーマにした企画展です。

県立博物館で「甲斐絹」をテーマにした企画展が開催されるのは初めてのことです。

戦国時代、南蛮船によってもたらされた輸入品のカイキ/KAIKIが、江戸時代に国産の海気/海黄/海機/改機/加伊岐となり、そして明治期に「甲斐絹」となって人々の暮らしの中へ広まっていく時代、そしてその後までを網羅した、史上初の甲斐絹展となります。

世界最大の甲斐絹コレクションを持つシケンジョも全面協力し、ふだんは一般公開していない所蔵資料の多くが、県立博物館で公開されることになりました。

『甲斐絹物語』展は2026年10月10日から11月30日まで。

11月5日からの後期では展示品の入れ替えがありますので、最低2回は行かないと全部は見られません!



会場入り口を飾るのは、畳の上に置かれた、《二つの小箱》。

そう、「甲斐絹」が登場する金子みすゞの詩『二つの小箱』を再現した展示から、甲斐絹物語は始まります。

たくさんの展示品のうち、シケンジョからのものを中心に幾つかご紹介します。
実際の展示品は、はるかに膨大で見ごたえがありますので、ぜひ会場でお楽しみください。












このほかにも見たことのない甲斐絹にまつわる逸品が会場狭しと展示されています。


シケンジョ職員も知らない、シケンジョ初代場長の河口孝氏の逸話。

博物館の丸尾学芸員さんが現地でリサーチするなかで耳にした言い伝えだそうです。


こちらのコラムはシケンジョで担当したものです。
このテーマを深掘りした講演会を10月31日(土)に開催します。(詳しい情報は最後に)



シケンジョテキ&甲斐絹ミュージアムも紹介していただきました。



甲斐絹に使われたといわれる伊勢型紙。



甲斐絹の時代から今に伝わる「ほぐし織」の技法による、捺染された経糸。

都留市の天野商店さんで染められたものです。


裏地が表になるよう、裏返された羽織。これもシケンジョ所蔵資料です。


ふだんシケンジョでも箱から出して見ることの少ない「ナチュール甲斐絹」。


シケンジョテキを立ち上げた高須賀活良さん(当時臨時職員)のコレクションコーナーもあります。



甲斐絹の裏地が、さまざまな羽織の裏側を彩っていることが分ります。

実家のタンスの中に眠っていた着物や羽織が骨董市やフリマサイトで売られる、ということがあります。そうした中には甲斐絹が裏地として使われているものも少なくないそうです。

出品者がそれと知らずに販売しているもののなかから、裏地の写真を見て「これは甲斐絹では?」というものを購入すると、やはり甲斐絹だった、ということがあるとのこと。

日本各地のタンスの中にある羽織には、無数の甲斐絹が人知れず眠っていることでしょう。
古い羽織を処分しようとするときには、裏地もぜひ見てみてください。




県立博物館の緑と夕空。広い敷地は緑や水場が多く公園のようです。

『甲斐絹物語』のミュージアムショップでは、図録のほかに甲斐絹にまつわる公式グッズも販売されています。、今回を逃すと、甲斐絹のグッズが手に入るチャンスはそうそう回ってこないと思いますので、ぜひチェックしてみてください!





甲斐絹柄の缶バッジとしおりセット



甲斐絹柄のクリアファイル


甲斐絹柄をあつめたトートバッグ


これまでシケンジョテキで紹介してきた甲斐絹の記事の集大成となる講演会「甲斐絹の中の文学・文学の中の甲斐絹」が、シケンジョの五十嵐が講師となり、10月31日(土)に開催されます。(詳細は下記)
聴きたいけど来られないという方は、下記のリンクをぜひご覧ください。

[甲斐絹 関連ページ]

2026年10月23日 『甲斐絹物語』展が県立博物館で開幕!
2026年6月16日 甲斐絹のワインが誕生しました!
2024年12月16日 『民具マンスリー』に「文学の中の甲斐絹」が掲載されました
2024年10月30日 『甲斐絹をよむ #02 「蚕」』はじまりました
2024年 4月25日 文学の中の甲斐絹 ⑥甲斐絹の風景
2024年 2月19日 文学の中の甲斐絹 ⑤現代語訳で読む、落合直文の小説『甲斐絹』
2024年 1月24日 文学の中の甲斐絹 ④甲斐絹の用途
2023年 10月4日 文学の中の甲斐絹 ③甲斐絹の色彩
2023年 10月4日 文学の中の甲斐絹 ②甲斐絹のオノマトペ辞典
2023年 10月3日 文学の中の甲斐絹 ①文人たちが書いた甲斐絹
2022年 10月21日 DESIGN MUSEUM JAPAN 山梨展「甲斐絹」千年続く織物 “郡内織物”のルーツ
2014年 1月17日 甲斐絹ミュージアムより #10  「白桜十字詩」
2013年12月24日 甲斐絹ミュージアムより #9  「この松竹梅がスゴイ!」
2013年11月15日 甲斐絹ミュージアムより #8 「今週の絵甲斐絹3 ~松竹梅~」
2013年10月31日 甲斐絹ミュージアムより #7 「今週の絵甲斐絹2」
2013年10月25日 甲斐絹ミュージアムより #6 「今週の絵甲斐絹1」
2013年 9月27日 甲斐絹ミュージアムより #5/84年後に甦った甲斐絹
2013年 9月21日 甲斐絹ミュージアムより #4/甲斐絹展が始まります!
2013年 6月28日 甲斐絹ミュージアムより #3 シャンブレーの極致!玉虫甲斐絹
2012年 4月27日 甲斐絹ミュージアムより #2
2012年 4月13日 甲斐絹ミュージアムより #1


本邦初となる甲斐絹の企画展、ぜひ秋の甲州路の旅と合わせてお越しください。


山梨県立博物館 企画展『甲斐絹物語』
(以下の情報は公式サイトより)

■期間:令和8年10月10日(土曜)から11月30日(月曜)まで 
 (休館日:毎週火曜日、11月3日開館、4日休館)

※一部展示資料は会期中に展示替えが行なわれます。
 前期展示:10月10日(土曜)から11月3日(火曜) 
 後期展示:11月5日(木曜)から11月30日(月曜)

■時間:午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)

■観覧料:通常料金 一般500円 大学生250円
 高校生以下の方、県内在住の65歳以上の方、障害者の方(およびその介護をされる方)は無料です。

■関連イベント
・講演会「甲斐絹の中の文学・文学の中の甲斐絹」
 日時:令和8年10月31日(土曜)13時30分~15時
 会場:生涯学習室
 講師:五十嵐哲也氏(山梨県産業技術センター 研究管理幹)
 ※事前申し込み不要(定員90名、受付は開始の30分前から)、参加無料


(五十嵐)

2026年9月24日木曜日

山水郷のデザイン展

東京は丸の内にあるGOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F)で2026年9月16日に始まった展示会『山水郷のデザイン6 - Crafting Futures』で、山梨の職人と技、織物たちを紹介する展示が行われています。








「山水郷」とは、土地の恵み="山水”と、人のつながりによって豊かな日常の営みが生まれ、育まれている場所="郷(さと)”を意味する造語だそうです。

主催者の日本デザイン振興会では2020年5月より日本各地の「山水郷」で活躍するデザイナーに焦点を当てる配信番組「山水郷チャンネル」を開始、現在まで120名以上が紹介されてきました。

うち3組のデザイナーが、その活動を自ら展示紹介するのが『山水郷のデザイン』展。

その6回目となる今回は、山梨で活躍する高須賀活良さんを含む次の3組による展示が行なわれています。

 高須賀活良さん/ハタオリマチのハタ印(活動拠点:山梨県富士吉田市・西桂町)
 玉木新雌さん/tamaki niime(同:兵庫県西脇市)
 塚原龍雲さん/株式会社KASASAGI(同:全国の伝統工芸産地)


高須賀活良さん/のコーナーでは、本人だけでなく、高須賀さんが大学時代から通い、シケンジョでも臨時職員として2年間を過ごした『山水郷』、山梨県富士吉田市・西桂町エリアから、次のメンバーを紹介する展示を企画しました。

 小林新司さん/TENJIN factory

 宮下珠樹さん/宮下織物(株)

 渡邉竜康さん/watanabe textile

 林 賢志さん/めるげん//賢志












































東京の真ん中で紹介される山梨の山水郷、ぜひお立ち寄りください!

名称:山水郷のデザイン6 - Crafting Futures
会期:2026年 9月16日(水)- 10月11日(日)11:00-20:00/休廊日10月4日(日)・入場無料
会場:GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F)
   https://marunouchi.g-mark.org/
主催:公益財団法人日本デザイン振興会

※写真はハタオリマチのハタ印よりいただきました。

(五十嵐)

2026年8月28日金曜日

フジヤマテキスタイルプロジェクト2026 発会式!

令和8年8月8日(土)《8・8・8》の日、富士吉田商工会議所にて、フジヤマテキスタイルプロジェクト、18回目の発会式が開催されました。

下の写真は、発会式でのプレゼンを控えてナーバス気味の学生たち(写真下部)。
カメラを向けて「ハイチーズ!」で、緊張気味ながら笑顔をはじけさせてくれました。


18年目を迎えるフジヤマテキスタイルプロジェクト。
今年の発会式は、地元富士吉田、西桂の自治体、織物組合から来賓を迎え、CATVのテレビカメラも入って、賑やかにスタートしました。



来賓あいさつのあとは、ずっと監修を務めてきた鈴木マサルさんのあいさつ。
キーワードは『熱量』です。ずっとそう言い続けた鈴木マサルさん。今年も熱量を!と檄を飛ばします。




そして発会式セレモニーのあとは、学生たちによるプレゼン大会。
今年は参加しない機屋さんもこれを聞くために来場してくれています。

最初の発表はこちらです。
以下、学生たちは個人情報保護のため、写真と名前がリンクしないように氏名を伏せてご紹介しますのでご了承ください。


富士山 → 富士 → フジ → ブジ → 無事
ということで、無事に帰れるお守りとなるスーツケースベルト、トラベルタグの提案です。





コラボの相手は昨年と同じペア、座布団の(有)田辺織物、田辺丈人さんです。


二番手はこちらの学生さん
。





斜めに二つ折りにして、重なり合った時に柄が完成する、というコンセプト。



コラボのペアを組むのは、ストールが得意な武藤(株)の武藤亘亮さん。

次の学生さんはこちら。


香木を入れて香りを身につけられる袋の提案です。







コラボのペアを組むのは、御守り袋なども手掛ける、光織物(有)の用元歩夢さん。

そして次の学生さんです。


某漫才グランプリの登場曲をBGMに登場、謎のショートコントが始まったので会場は驚きに包まれました。サービス精神が溢れています。


「ゴミ」をコンセプトにしたバッグ類をテーマに挑みます。


ペアを組むのは、洋傘、服地で様々な生地を生み出す(株)槙田商店の槇田哲也さん。


お次はこちらの学生さん。








柄のカタチに沿って裁断した布のパーツを服のうえで再構成するアイデア。





コラボの相手は、製品染めや後加工が得意な丸幸産業(株)の堀内茂利さん。


そして最後の発表者、こちらの学生さんです。





大漁旗をテーマにした制作にチャレンジ。



昨年と同じ組み合わせ、舟久保織物の舟久保さんとペアを組みます。

それぞれ個性的なアイデア、プレゼンが出そろい、今年の発会式が無事終わりました。

いつもながら、もっと大勢の観客の前でやっても良いくらいの面白さでした!

最後は成功を祈って、富士山締め(二、二、三で、パンパン、パンパン、パンパンパン)で閉じられました。


学生さんとハタヤさんの組み合わせは次のとおりです。

  諏訪瑶実さん × 舟久保織物 舟久保勝さん 

  荻原多穂さん × (有)田辺織物 田辺丈人さん 

  中西美羽さん × 丸幸産業(株) 堀内茂利さん 

  中川真奈さん × 光織物(有) 用元歩夢さん 

  西山琴乃さん × (株)槙田商店 槇田哲也さん 

  山崎麻由さん × 武藤(株) 武藤亘亮さん 

次にこのメンバーが集まるのは、10月17日(土)-18日(日)に開催されるハタオリマチフェスティバル、コラボの途中経過「イマココまで進みました」を見てもらう『イマココ展』です!

シケンジョでも恒例の「イマココチャート」でお手伝いをさせていただく予定です。

お楽しみに!

(五十嵐)