2014年9月28日日曜日

【産地バスツアー情報】

好評のヤマナシハタオリ産地バスツアー秋の参加者募集開始のお知らせです。

「ヤマナシハタオリ産地バスツアー」は、
富士吉田、西桂エリアの織物工場を巡ってヤマナシ産地の作り手に出会う
そしてB to Bのビジネスマッチングを主眼とした日帰りバスツアーです。

今回は、平成26年11月7日(金) 、12月5日(金) の2回の開催をご案内します。




織物が生まれるまでの様々な工程が集約されたこの産地は、
まさにモノづくりを知るためのミュージアム。


産地をバスで巡れば、いたるところに魅力的なスポットが散らばっているのが実感できます。

今年度からスタートした『産地ミュージアムトーク』では、
工場ツアーの合間に産地の機屋さんを交えたトークセッション、

そして生地サンプルや製品を集めたミニ展示会を開催します。

また、産地外から招くゲストキュレーターには、
日本のファッションとテキスタイルの歴史に大きな足跡を残したあの「みやしん」の
宮本英治さん(12月5日/元みやしん、文化・ファッションテキスタイル研究所 所長)

日本の産地に新たなデザインの風を吹き込んで注目を集めるプロダクトデザイナーの
辰野しずかさん11月7日/+st  をお招きします。

ゲストキュレーターはシケンジョ客員研究員の家安 香さん(エデルコートイースト㈱代表)とともに、
バスツアーに参加いただく皆さまに、産地をより深く知るための
セッションをリードしていただきます。


バスツアーへのお申込みはこちら応募フォームからどうぞ。

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*日程① 平成26年11月7日(金) 
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  『 ヤマナシハタオリ産地バスツアー 7 NOV 2014 』

 
応募締切/平成26年10月24日(金)
 テーマ
【綿・麻・絹・毛~天然素材の四天王】
 ゲストキュレーター/辰野しずかさん+st/プロダクトデザイナー)
  
  9:00 新宿駅西口集合、出発
 10:45 到着、工場見学~昼食~工場見学~産地ミュージアムトーク
      [見学先(予定):(有)テンジンほか]
 17:30 情報交換会・夕食
 19:15 新宿へ
 21:00 新宿着


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*日程② 平成26年12月5日(金) 
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  『 ヤマナシハタオリ産地バスツアー 5 DEC 2014 』

 
応募締切平成26年11月21日(金)
 テーマ
【ドビーVSジャカード】
 ゲストキュレーター/宮本英治さん(元みやしん、文化・ファッションテキスタイル研究所 所長)
   
  9:00 新宿駅西口集合、出発
 10:45 到着、工場見学~昼食~工場見学~産地ミュージアムトーク
      [見学先(予定):宮下織物(株)ほか]
 17:30 情報交換会・夕食
 19:15 新宿へ
 21:00 新宿着


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 ※情報交換会は山梨県絹人繊織物工業組合主催により実施。
 ※訪問先・訪問時間は都合により予告なく変更されることがあります。



*実施主体
  主催:富士工業技術センター
  協力:山梨県絹人繊織物工業組合
 


*定員 15名
  ※基本的に産地企業の取引対象となり得る業界関係者及び出版・報道関係者に

    限らせていただきます。

*参加費用  4,000円程度  ※昼食・懇親会実費負担


*参加申込  こちらのお申し込みフォームにアクセスし必要事項を入力してください。

  ※申し込み締め切り [
日程①=10月24日(金)日程②=11月21日(金)]

  ※応募多数の場合は抽選となります。 
   それぞれ締切の翌日に抽選結果・受付確認をご連絡します。

*お問い合わせ
  山梨県富士工業技術センター 繊維部技術支援科(五十嵐、秋本)
    TEL.0555-22-2100  FAX.0555-23-6671   fj-seni@pref.yamanashi.lg.jp

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*過去のバスツアー  下記のバックナンバーをご覧ください。

2014年8月27日 ヤマナシハタオリ産地バスツアー27 AUG 2014
http://shikenjyo.blogspot.jp/2014/09/aug.html

2014年11月27日 ヤマナシハタオリトラベル-秋の産地見学バスツアーpart1:槇田商店(傘)―
http://shikenjyo.blogspot.jp/2013_11_01_archive.html

2014年11月27日 ヤマナシハタオリトラベル-秋の産地見学バスツアーpart2:舟久保織物(ほぐし織りの傘)―
http://shikenjyo.blogspot.jp/2013/12/part2.html

2014年11月27日 ヤマナシハタオリトラベル-秋の産地見学バスツアーpart3:シケンジョの甲斐絹見学
http://shikenjyo.blogspot.jp/2013/12/part3.html

2014年11月27日 ヤマナシハタオリトラベルー秋の産地見学バスツアーpart4:(有)テンジン(リネン素材に特化)
http://shikenjyo.blogspot.jp/2013/12/part4.html

2013年8月27日 ヤマナシハタオリトラベル 2013夏の産地見学バスツアー レポート!
http://shikenjyo.blogspot.jp/2013/10/2013-part1.html

2013年6月14日 ヤマナシ ハタオリ トラベル 産地見学バスツアー 2013JUNE
http://shikenjyo.blogspot.jp/2013/07/2013june.html

2012年12月14日 ヤマナシ ハタオリ トラベル 産地見学バスツアー 2012秋冬/西桂編
http://shikenjyo.blogspot.jp/2012/12/2012.html

2012年11月28日 ヤマナシ ハタオリ トラベル 産地見学バスツアー 2012秋冬/富士吉田編
http://shikenjyo.blogspot.jp/2012/12/20121.html

2012年8月27日 ヤマナシ ハタオリ トラベル 夏の産地見学バスツアー
http://shikenjyo.blogspot.jp/2012/09/blog-post_19.html

2011年11月25日(前篇) 富士山麓の織物工場でつくり手に出会うバスツアー2011
http://shikenjyo.blogspot.jp/2011/11/blog-post_30.html

2011年11月25日(後編) 富士山麓の織物工場でつくり手に出会うバスツアー2011
http://shikenjyo.blogspot.jp/2011/12/blog-post.html

2011年8月26日 都内クリエイターによる織物産地工場見学ツアー
http://shikenjyo.blogspot.jp/2011/09/in.html

2011年7月22日(前篇) ドリフターズ・サマースクールバスツアーin山梨 「生地をもっと知ろう」
http://shikenjyo.blogspot.jp/2011/08/in.html

2011年7月22日(後編 )ドリフターズ・サマースクールバスツアーin山梨 「生地をもっと知ろう」
http://shikenjyo.blogspot.jp/2011/08/blog-post_18.html




ご参加、お待ちしています!!バスツアーお申込みフォーム→ こちら



(五十嵐)

2014年9月22日月曜日

シケンジョ書庫より ヨーロッパオールドコレクション その①

久々の「シケンジョ書庫より」のコーナー。

シケンジョが創設されたのは1905年(明治38年)です。
最初は「山梨縣工業試験場」という名前でした。


その当時、山梨の織物産地に西欧文明の技術やデザインを取り入れようと、
シケンジョの大先輩がヨーロッパに渡って購入した生地見本が
シケンジョ書庫には眠っています。



これまで、来所されたハタヤさんや研究者の方には
ときどき見ていただいているこの「海外染織見本」ですが、
これから少しずつ、「ヨーロッパオールドコレクション」シリーズとして、
シケンジョテキでもご紹介していきたいと思います。

シケンジョ設立の1905年といえば、ファッションの世界では
まだココ・シャネルCoco Chanel;1883-1971)も最初のアトリエを構えておらず、
マドレーヌ・ヴィオネ(Madelaine Vionnet1876-1975) もまだ修業中でした。
当時活躍していたオートクチュール・デザイナーでは、
ポール・ポワレPaul Poiret1879-1944)が有名です。

ちなみに甲府出身の有名な翻訳家、

村岡花子さん(1893-1968)は、1905年といえば東洋英和女学校に
給費生として入って3年目の頃でした。

それでは、想像の翼を広げて、その頃のヨーロッパを思い浮かべながら、
当時のテキスタイルをご覧下さい。



















いかがでしたでしょうか。

糸の細さ、高い密度、手間のかかった紋意匠(ジャカードデータ作製)…


当時のテキスタイルが、いかに高い価値を持つものだったかが想像できます。



これらのテキスタイルが作られた20世紀初頭は、
山梨にジャカード技術が導入されてまだ間もない頃でした。

その頃の山梨のハタヤさんは、こうした生地を見て、ジャカード織りを学んでいたのでしょう。



では次回をお楽しみに!


(五十嵐)







2014年9月16日火曜日

掘り下げるデザイン ~SAIBAIMAN 土から始まるものづくり~

 
東京造形大学とヤマナシ産地企業のコラボ事業、
FUJIYAMA TEXTILE PROJECTの一期生として2009年から2年間、山梨に通い、
その後2011年に山梨に移住してシケンジョの臨時職員として2年間勤務した
高須賀活良(たかすか・かつら)さんの個展が、
いま千葉県の「子ども美術館ふなばしアンデルセン公園内)」で開催されています。

 
高須賀さんはシケンジョ在籍当時、このブログ「シケンジョテキ」のスタートにあたって
大きな役割を果たしたシケンジョの元スタッフであり、
今もヤマナシハタオリトラベルの一員として産地企業と活動を共にしつつ、

ヤマナシハタオリトラベルの一大事業である
富士山駅ビル内の「ヤマナシハタオリトラベルMILL SHOP」のオープンに向けて、
ディレクションや空間デザインをプロデュースしたことは、
以前のブログ(ついにオープン!ヤマナシハタオリトラベルMILL SHOP! )でもお伝えしました。




今回は、こうした彼のデザインを支える考え方をお伝えするため、
子ども美術館で開催中の個展「SAIBAIMAN―土から始まるモノづくり―」
をご紹介させていただきます。





デザインという行為には、「ゼロから新しいものを生み出す」という側面もあるかもしれませんが、
もっと重要なのは、いまあるものの中から価値を拾い出し、
そこでしかできないことはなにか? を掘り下げることだと思います。


その足元を掘り下げ、価値を見出してカタチを与えるというデザインの発想が、
アート作品にも共通して活かされているのをご覧ください。



会場の中央に並ぶのは、糸でつるされたオブジェと、その下に散らばった植物です。



 

「オブジェ」は、様々な天然繊維で織った「衣服」で、
「衣服」の材料は、

土から生まれ育った植物繊維や、植物を食べて育った動物から得た絹、ウール。

そして下に散らばった「植物」は、その糸に色を与えた「草木染めの素材」。

すべてをたどっていくと、土から生まれ育った生命に行きつくこと、
人は生命を素材にしてモノを作っていることを、
アーティスト、高須賀活良
さんはカタチで伝えています。

テキスタイルとは何か?

この問いを掘り下げた高須賀
さんのひとつの答えが、この空間を満たしているようです。


この展示は、ぜひこの場に立って、全身で感じて欲しいと思います。










この展示は、すべて高須賀
さんが糸を染め、手織りで織ったそうです。

経糸整経長(準備して揃えたタテ糸の長さ)は150mに達するとか。
150mといえば、十分に織物工場の生産ロットのレベル。
手織りでそんなに長い整経をする人は、ほとんどいないでしょう。










会場には、過去の作品も展示されています。

下の写真は
「土から生まれた服 土に還る服」

高須賀
さんの東京造形大学テキスタイルデザイン専攻 在学中の作品です。
 








下の作品は「souls」。イギリスでも展示された作品です。

蚕の繭、シルクを素材に作ったキューブが並んでいますが、
一つのキューブには数千の蚕が吐き出した絹糸が使われています。






会場の子ども美術館のある「ふなばしアンデルセン公園」は、
自然たっぷりの公園で、イベントやワークショップも充実。
子どもを連れて家族で行けば一日楽しめそうです。







秋の行楽シーズンになかなか良さそうですね。
散歩にもぴったりな公園でした。
おススメです。



「SAIBAIMAN―土から始まるモノづくり―」
アーティスト 高須賀活良(たかすか・かつら)

■場所:ふなばしアンデルセン公園 子ども美術館
 〒274-0054 千葉県船橋市金堀町525番


■期間:9月6日(土)~10月26日(日) 9:30〜16:00

休館:月曜

公園の入園料が必要です。(一般900円 高校生600円 小中学生200円)
 





(五十嵐)

2014年9月10日水曜日

rooms29出展!

平成26年9月9日(火)~11日(木)、国立代々木競技場第一体育館で開催されている
合同展示会rooms29に、ヤマナシ産地から
kichijitsu(光織物)、TORAW(渡小織物)、槙田商店の3社が
「Made in.(メイドイン ドット)/rooms 地場産」エリア[M-46ブース]に出展しています。





2日目の今日(10日(水))は、うれしい知らせが飛び込んできました。
なんとこの3社によるブースが、高橋統括編集長アワードを受賞したというニュース!

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高橋統括編集長アワードとは、今回のroomsの”メディアフレンド”となった
「Discover Japan(エイ出版社)」の編集長である高橋俊宏氏が、
 Made in./rooms 地場産エリアへの出展ブランドから、感性の高い未来あるブランドを
選出するアワードです。
 


そして、ニュースはさらに続きます。
今回roomsに初参加となる「ロンドンブーツ1号2号」田村 淳氏による、
「オレのスキなモノ」と題した出展ブランドからのセレクトコーナーに、
kichijitsu「GOSHUINノート」が選ばれました!

下の印です。



いずれもふだんから、シケンジョでブランド力向上のお手伝いを

させていただいている、トップランナー的なブランド、企業です。
ヤマナシ産地の一員として、とてもうれしい知らせでした。



そんな話題もあって注目のヤマナシ産地ブース(M-42)をのぞいてみましょう。

場所は会場の出口付近、上の写真で印のところです。
のれんをくぐると、ヤマナシ産地ブースのある、地場産エリア。



そしてやってきました。ヤマナシ産地ブース。3社の合同ブースになっています。

まずは kichijitsu光織物(有))のコーナー。



kichijitsuからは、新商品「ごきげんぽーち」が登場!

母子手帳ポーチとして、母子手帳だけでなく病院のカードなど、出産・育児にまつわる小物を収納できるポーチ。

安産や繁栄を象徴する動物がモチーフになっています。




そしてTORAW(トラウ)((有)渡小織物)のコーナー。
今回が自社ブランドを掲げて、はじめての展示会出展です。
 

「新しいトラディショナルを織る」がコンセプトの「TORAW(トラウ)」。

「トラッド」を織る職人、「渡辺太郎(Watanabe Tarow)」、
そこから「TORAW」と名付けられたそうです。




ネクタイ生地をで仕立てたこの傘は、8月のバスツアーに参加してくれた
ハマヲ洋傘店の鎌田さんによるもの。ちなみにテキスタイルデザインは高須賀活良(たかすか・かつら)氏です。




そして次は(株)槙田商店のコーナー
上の写真は、新製品のパラソル「stripe(ストライプ)」

自社ブランドを打ち出しはじめて数年。
ブランドを支える力強いラインナップが充実してきています。





槙田商店のコーナーの背後には、rooms shopコーナーがあり、
その中には、実は富士山駅に7月にオープンした直営ショップ、
「ヤマナシハタオリタオラベルMILL SHOP」の出張所が
開店しています!





臨時ショップとはいえ、2号店がこんなに早く開店するとは!
富士山駅のMILL SHOPにまだ行けていない方、ぜひ代々木でご覧ください。
 

rooms29には、織物のほかにもヤマナシのジュエリー産地から、
D-11に「TO LABO
D-12に「Glory Design

の2ブランドが出展しています。



会期は明日(11日(木))まで。どうぞお立ち寄りください!








話題の代々木公園の隣です。ムシ対策もお忘れなく。

(五十嵐)