合同展示会rooms27(平成25年9月11日(水)~13日(金) 於:国立代々木競技場第一体育館)のレポート第2弾!
ヤマナシから9社が出展するエリアの10番目のブース。
そここそが、通称「シケンジョテキブース」、
『ヤマナシ ”シケンジョテキ”ハタオリ トラベル rooms edition』!
さっそくその様子をご覧ください。
これが…、ブースの全容です。
「どうすれば自社商品・ブランドを良く見てもらえるか?」
を命題として組み立てられている他のブースに比較すると、
「ここは一体…??」
という要素が満載…。
このブースの使命は、クリエイティブのクオリティが高いroomsの中ではなかなか難しい、
足を止めてヤマナシの名前を記憶に刻んでもらうこと、
そして山梨エリアの各ブースを紹介してセットで覚えてもらうこと。
これを「シケンジョテキ」テーマで実現することを命題として
企画・プロデュースさせていただいました。
もしかしたらフィルターに引っかからなかった方にはノイズでしかなかったかもしれませんが、
興味深そうに吸い寄せられて来る方もそれなりに多く、
楽しんでいただけたのではないかと思います。(多分…)
それではブース内の各コーナーをご紹介していきましょう。
手前のエリアは、「ヤマナシ ハタオリ トラベル」の宣伝コーナー。
9月11日まで渋谷ヒカリエでも開催していた
ヤマナシ産地の自社ブランドユニット活動を、ミニマムサイズで再現。
そして奥にそびえるのは、タテ糸で作られた富士山!
タテ糸は富士登山で使われる金剛杖のスペシャル版「勇者の杖」に結び付けられ、
富士山の霊気を糸に伝えます(という設定…)。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj9fWEU7WBCuG3q9f8XkvGjbMP4GNs5YUAt_TVegmU9LRKY0mtbJfm0B4Xk7rzW7H-CIWva9NiIOvTMUTx4cjIj7zQ1ZP8C-9kM9HUvwu6Huu3R7myvxAYs1OIq00iKAT7RZLDsYzlF-w/s1600/s-DSC_2015.jpg)
仮にも「タテ糸」というからには、もちろん織ることができます。
これは原始的な手織りの技法で、「腰機(こしばた)」と呼ばれるものです。
ふつうは木や柱に縛りつけて織るところを、3つ並べて富士山の稜線に見立ててみました。
3つという数は、富士山古来の描き方、「三峰」に由来しています。
手織りに目覚めたか。シケンジョA研究員。
鶴の恩返し?
「『平織り』しか織れない仕組みのリジッド織機で、ジャカード柄を織る」の図。
このコーナーは、来場者も体験できる実演アトラクション。
「無料ハタオリ所」として一般開放されました。
ふだん自動織機を駆使するハタヤさんたちも織っていました!
もちろん来場者の方も!
写真はテキスタイル企画を長年され、いま産地の織物工場で働くKさん。
手織り初体験でムチャなジャカード柄に挑戦するツワモノです。
このコーナーは「シケンジョテキ」を冠しているので、このブログ「シケンジョテキ」のPRも
させてもらいました。
過去の人気投稿がそろいぶみです。
ここで紹介できるなんて、ありがたや。。。
そしてこちらは、織機の音を聴く試聴コーナー。
アナログ感たっぷりの年代物のシャトル織機、レピア織機の音を聴くには、
やはりアナログなテープレコーダーに限る!
カセットごとにちがう機屋さんの音が楽しめます。
この企画、じつはroomsの10日ほど前に「富士山ごえん会」という勉強会で聴講した
山梨県立大学の箕浦先生の発表が元になっています。
一般に「騒音」とされる産業の音でも、地域の生活を支え、
産地の生活空間の中に溶け込んだ織機の音は、
地域らしい音、生活の音であり、
地域固有の『音の風景』=『サウンドスケープ』として捉え、研究する価値がある、
というお話でした。
フィールド研究で集められた産地の人々の言葉は、とても味わいがあります。
いくつかここでご紹介させていただきます。
「9台全部動かしていても織機が1台でも止まったら,どの機が止まったかも,耳が覚えてしまって分かる。」
「どのような種類の織機で織っているとか,調子が狂っているとか,音を聞けばわかる」
「子供を工場へ入れて寝かしておいた。少しおぶって,寝ると,布団に寝かせた。工場が止まると,起きた。」
「お掃除でも洗濯でも,食事の用意でも,機をかけながらできる。でも機がとまってると,今度は家事ができなくなる。]
*引用元/参考文献 : 山梨県富士吉田市における織物産業音と生活文化
Soundscape of textile industry and local culture in Fujiyoshida city, Yamanashi prefecture
箕浦一哉・加藤志穂(山梨県立大学),日本サウンドスケープ協会研究発表会論文集,39-46,2011
そしてコチラ。バス停です。
11月12日(火)に開催する、ヤマナシ産地訪問バスツアーのバス停型POPです。
産地を旅しているような体験をしてもらうコンセプトの
催事「ヤマナシ ハタオリ トラベル」と同名異プロジェクト、
本当に産地を旅して作り手に出会ってもらうための、
もうひとつの「ヤマナシ ハタオリ トラベル」 です。
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ヤマナシ ハタオリ トラベル 秋の産地訪問バスツアー2013
*期 日 平成25年11月12日(火)(日帰り)
*時 間 10:00新宿発~21:45新宿着予定
*定 員 15名
*参加費 4,000円前後(昼食・夕食費)
*訪問先 舟久保織物(harefune)、(有)テンジン(ALDIN)、(株)槙田商店 ほか
*対 象 ※基本的に産地企業の取引対象となり得る業界関係者及び
出版・報道関係者等に限らせていただきます。
*募 集 10月15日(火)まで ※応募多数の場合は抽選となります。
*お申込みフォーム こちらから!
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募集は来月15日(火)までです。ぜひご応募ください!
さて、こちらのコーナーは、ヤマナシ産地の特徴の一つである、
ジャカード織(の舞台裏)を紹介するコーナー!
写真の老人は、ジャカールさん。
ジョセフ・マリー・ジャカール[Joseph Marie Jacquard、(1752年7月7日 - 1834年8月7日)]。
ジャカード織機の発明家です。
いうまでもなく「ジャカード織機」というのは、
ジャカールさんの発明した織機、というのが由来です。
ちなみに、フランス語の「ジャカール=Jacquard」を英語読みすると、「ジャカード」。
つまり「ジャカード」は、英語訛りです。
さらに、日本人にとっては濁点がついた方がしっくりするからなのか、
「ジャガード」と日本語訛りで広まっているようです。
シケンジョテキでは、世界的に見て使用頻度の高い「ジャカード」で統一しています。
さて、ジャカールさんの写真の後ろにあるのは、紋紙。
織機がタテ糸を操作する情報が記録された、最古のデータ記憶媒体といえます。
情報を記憶する機構として、後のコンピュータの発明にもつながりました。
後ろの紋紙には、織り情報ではなくて「富士山の絵」が記録されている特別版です。
そして、ジャカールさんの写真の下にあるのが3.5inchフロッピーディスク。
その隣の大きいのは8inchフロッピーディスク。
いずれも博物館行きの代物と思われますが、ヤマナシ産地ではこのどれもが現役!
(さすがに8inchはふだん使われているわけではないですが、読める状態になっているということで)
そして下の写真は、シケンジョの初代所長、河口孝氏。
1905年(明治38年)から約30年間、産地の織物に西洋技術を導入・普及した方です。
周りにあるのは、シケンジョで使われてきた道具の数々。
産地とともに歩んできたシケンジョの100年以上の歴史が
とりあえず、雰囲気だけでも伝わればと。
(個々のツールは一部のテキスタイル専門家の方々に大ウケしていただきました)
そして冒頭で紹介した、富士山型の手織り装置。
3日間の会期中にどこまで富士山頂に近づけるか?という
裏ミッションもあったのですが、
最終日はこんな感じでした。
↓
頂上どころか、5合目もまだ先…。
途中で富士山柄を織りだそう、とマニアックな路線に行ってしまったのが
原因ですが、これはこれで良かったはず!
何人もの方から、このアトラクション込みでのヤマナシ産地の催事をやったら、
という声もいただいております。
いずれ、あなたの街に出現するかもしれません…!
しかし、ブログテーマのブースをroomsに出展できるなど、
最初で最後かもしれません。
シケンジョテキ冥利に尽きる3日間でした。
本当にヤマナシ産地の知名度UPに貢献できているかも、
という実感を味わうことができた気がします。
rooms27のシケンジョテキブースに訪れていただいた方、
ありがとうございました!!
実現に協力いただいたハタヤさん達、
そしてシケンジョスタッフを鼓舞してステージを作ってくれたroomsの石塚さん、
本当にありがとうございました!
そう、最後にこちらもご紹介しないわけにはいかないですね。
あろうことか、rooms来場者全員に配布される会場ガイドマップに、
インタビュー記事を掲載していただきました!
富士山テーマのもととはいえ、
過分な待遇をいただき、誠にありがとうございました m(_ _)m
※シケンジョテキのPRと、バスツアーのご案内にピントを合わさせていただいております。
(おまけ)
この会場での手織りのアイデアは、
3月までシケンジョにいた高須賀活良君が
今年の夏の渡英中、日記替わりに織っていた
移動式の手織りのスタイルを見て
思いついたものです。
彼曰く、「日記を織る」という発想。
展示会の会場日誌替わりに使わせていただきました。
Thank you very much !!
(五十嵐)