今日は、微量バナジウム水溶液で緑に発色させた繊維(ウール)について実験しました。
新しい方法であるため未知の部分も多く、例えば今後産地企業さんによるプロデュースによるストールやマフラーの開発を考えていますが、それらの皮膚刺激性について調べていく予定です。
そこで、今回は皮膚刺激性試験をするための2種類の繊維(バナジウム付着量の多そうな繊維と少なそうな繊維)を作製し、ICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)という方法*で、繊維に残留している微量のバナジウム量を測定しました。*甲府市工業技術センターの分析装置を利用させてもらいました。
バナジウム水溶液で染色して緑色に発色させたウール。
透明な2本の液体は、バナジウム濃度がわかっている定量用の標準液。
バナジウムも硝酸で溶けることになります。
局所排気装置の中で作業します。
フィルターでろ過。
10倍等適宜希釈したものを測定します。
分析装置。
細いチューブが自動で吸い取っていきます。
溶けたバナジウム溶液は霧状にプラズマの中に吹き付けられて発光します。
いくつかの種類の光がでますが、今回は約309nmを検出しています。
表中の%は測定の標準偏差で、サンプルナンバー3,4はそれぞれ1,2の10倍希釈です。
この値と事前に溶かした繊維重量(今回は約0.03g)から、残留したバナジウム量を算出すると・・。
濃い緑色の繊維に含まれるバナジウム:1.7 %
淡い緑色の繊維に含まれるバナジウム:0.2 %
であることがわかりました。
さまざまな色相・色彩の緑に発色するので、処理条件をまとめているところです。
(上垣)