『甲斐絹物語』は、山梨県の郡内織物産地の技術的ルーツである、幻の伝統織物「甲斐絹」をテーマにした企画展です。
県立博物館で「甲斐絹」をテーマにした企画展が開催されるのは初めてのことです。
戦国時代、南蛮船によってもたらされた輸入品のカイキ/KAIKIが、江戸時代に国産の海気/海黄/海機/改機/加伊岐となり、そして明治期に「甲斐絹」となって人々の暮らしの中へ広まっていく時代、そしてその後までを網羅した、史上初の甲斐絹展となります。
世界最大の甲斐絹コレクションを持つシケンジョも全面協力し、ふだんは一般公開していない所蔵資料の多くが、県立博物館で公開されることになりました。
『甲斐絹物語』展は2026年10月10日から11月30日まで。
11月5日からの後期では展示品の入れ替えがありますので、最低2回は行かないと全部は見られません!
会場入り口を飾るのは、畳の上に置かれた、《二つの小箱》。
そう、「甲斐絹」が登場する金子みすゞの詩『二つの小箱』を再現した展示から、甲斐絹物語は始まります。
たくさんの展示品のうち、シケンジョからのものを中心に幾つかご紹介します。
実際の展示品は、はるかに膨大で見ごたえがありますので、ぜひ会場でお楽しみください。
このほかにも見たことのない甲斐絹にまつわる逸品が会場狭しと展示されています。
シケンジョ職員も知らない、シケンジョ初代場長の河口孝氏の逸話。
博物館の丸尾学芸員さんが現地でリサーチするなかで耳にした言い伝えだそうです。
こちらのコラムはシケンジョで担当したものです。
このテーマを深掘りした講演会を10月31日(土)に開催します。(詳しい情報は最後に)
シケンジョテキ&甲斐絹ミュージアムも紹介していただきました。
甲斐絹に使われたといわれる伊勢型紙。
甲斐絹の時代から今に伝わる「ほぐし織」の技法による、捺染された経糸。
都留市の天野商店さんで染められたものです。
裏地が表になるよう、裏返された羽織。これもシケンジョ所蔵資料です。
ふだんシケンジョでも箱から出して見ることの少ない「ナチュール甲斐絹」。
シケンジョテキを立ち上げた高須賀活良さん(当時臨時職員)のコレクションコーナーもあります。
甲斐絹の裏地が、さまざまな羽織の裏側を彩っていることが分ります。
実家のタンスの中に眠っていた着物や羽織が骨董市やフリマサイトで売られる、ということがあります。そうした中には甲斐絹が裏地として使われているものも少なくないそうです。
出品者がそれと知らずに販売しているもののなかから、裏地の写真を見て「これは甲斐絹では?」というものを購入すると、やはり甲斐絹だった、ということがあるとのこと。
日本各地のタンスの中にある羽織には、無数の甲斐絹が人知れず眠っていることでしょう。
古い羽織を処分しようとするときには、裏地もぜひ見てみてください。
県立博物館の緑と夕空。広い敷地は緑や水場が多く公園のようです。
『甲斐絹物語』のミュージアムショップでは、図録のほかに甲斐絹にまつわる公式グッズも販売されています。、今回を逃すと、甲斐絹のグッズが手に入るチャンスはそうそう回ってこないと思いますので、ぜひチェックしてみてください!
甲斐絹柄の缶バッジとしおりセット
甲斐絹柄のクリアファイル
これまでシケンジョテキで紹介してきた甲斐絹の記事の集大成となる講演会「甲斐絹の中の文学・文学の中の甲斐絹」が、シケンジョの五十嵐が講師となり、10月31日(土)に開催されます。(詳細は下記)
聴きたいけど来られないという方は、下記のリンクをぜひご覧ください。
[甲斐絹 関連ページ]
2026年10月23日 『甲斐絹物語』展が県立博物館で開幕!2026年6月16日 甲斐絹のワインが誕生しました!
2024年12月16日 『民具マンスリー』に「文学の中の甲斐絹」が掲載されました
2024年10月30日 『甲斐絹をよむ #02 「蚕」』はじまりました
2024年 4月25日 文学の中の甲斐絹 ⑥甲斐絹の風景
2024年 2月19日 文学の中の甲斐絹 ⑤現代語訳で読む、落合直文の小説『甲斐絹』
2024年 1月24日 文学の中の甲斐絹 ④甲斐絹の用途
2023年 10月4日 文学の中の甲斐絹 ③甲斐絹の色彩
2023年 10月4日 文学の中の甲斐絹 ②甲斐絹のオノマトペ辞典
2023年 10月3日 文学の中の甲斐絹 ①文人たちが書いた甲斐絹
2022年 10月21日 DESIGN MUSEUM JAPAN 山梨展「甲斐絹」千年続く織物 “郡内織物”のルーツ
2014年 1月17日 甲斐絹ミュージアムより #10 「白桜十字詩」
2013年12月24日 甲斐絹ミュージアムより #9 「この松竹梅がスゴイ!」
2013年11月15日 甲斐絹ミュージアムより #8 「今週の絵甲斐絹3 ~松竹梅~」
2013年10月31日 甲斐絹ミュージアムより #7 「今週の絵甲斐絹2」
2013年10月25日 甲斐絹ミュージアムより #6 「今週の絵甲斐絹1」
2013年 9月27日 甲斐絹ミュージアムより #5/84年後に甦った甲斐絹
2013年 9月21日 甲斐絹ミュージアムより #4/甲斐絹展が始まります!
2013年 6月28日 甲斐絹ミュージアムより #3 シャンブレーの極致!玉虫甲斐絹
2012年 4月27日 甲斐絹ミュージアムより #2
2012年 4月13日 甲斐絹ミュージアムより #1
本邦初となる甲斐絹の企画展、ぜひ秋の甲州路の旅と合わせてお越しください。
山梨県立博物館 企画展『甲斐絹物語』
(以下の情報は公式サイトより)
■期間:令和8年10月10日(土曜)から11月30日(月曜)まで
(休館日:毎週火曜日、11月3日開館、4日休館)
※一部展示資料は会期中に展示替えが行なわれます。
前期展示:10月10日(土曜)から11月3日(火曜)
後期展示:11月5日(木曜)から11月30日(月曜)
■時間:午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
■観覧料:通常料金 一般500円 大学生250円
高校生以下の方、県内在住の65歳以上の方、障害者の方(およびその介護をされる方)は無料です。
■関連イベント
・講演会「甲斐絹の中の文学・文学の中の甲斐絹」
日時:令和8年10月31日(土曜)13時30分~15時
会場:生涯学習室
講師:五十嵐哲也氏(山梨県産業技術センター 研究管理幹)
※事前申し込み不要(定員90名、受付は開始の30分前から)、参加無料
(五十嵐)


















