2012年7月3日火曜日

ファイルNo.16 「昭和51年度収集 甲州織収集見本 ネクタイ No.10」

シケンジョに眠るビンテージテキスタイルの紹介コーナー「シケンジョ書庫より」です。

昭和51年に集められた、郡内織物産地で生産されていたネクタイ生地を集めた織物見本帳です。
この見本帳を見ていると、まず、このような派手な柄のネクタイがあったことに驚きます。
しかしネクタイ生地を見るとき注目すべきところは柄だけではなく、使われている組織に注目して見てみるのも面白いのです。ネクタイ生地は経糸を寸間360~400(=3.78cmの間に360~400本もの経糸が張られているという意味)もの密度で織られる織物です。そのため、ただの縞の中にも複雑な組織を入れることができるので、柄に立体感が生まれ、普通の生地にはない高級感が生まれるのです。この見本帳で集められている織物生地も柄に合わせた巧みな組織が使われており、細かく見ていくと面白い生地がたくさん集められています。

それにしても、派手な柄に目が行ってしまうのは確かなこと。当時の人々はこのようなネクタイを着こなしていたのでしょうか?とても気になるところです。。














(高須賀)