2014年10月20日月曜日

シケンジョ書庫より ヨーロッパオールドコレクション その②

「シケンジョ書庫より」、 ヨーロッパオールドコレクションの第2弾です。

シケンジョ創設時の大先輩が1905年(明治38年)以降、ヨーロッパに渡って
購入した生地見本をご紹介します。

今回は、立体的な織物組織と、グラデーションを描いた織物組織が多めのセレクションです。


実物は、写真で見るよりずっと立体的に盛り上がっています。まるで糸で作られた彫刻のようです。



糸の撚り、染め、組織の違い、様々な要素が組み合わされてテキスタイルが生まれていることがわかります。




この自然なグラデーションに目を奪われます。









右側のカーブでは、曲線に沿って組織点(経糸と緯糸の交差ポイント)が設計されているのがわかります。



経糸のストライプの上に描かれたジャカードの花柄。



糸本数と同じマス目の方眼紙で組織を設計しているはずです。1000×1000でも百万マス。
この柄を作るには、もっと多い数の糸が必要だったはず…。




花びら一枚一枚の処理の繊細さに目を奪われます。



色の対比の鮮やかさ、光沢と立体感を生む緯糸の大胆な浮き(糸が長く見えているところ)が美しいです。








この猫のヒゲは、織物組織で描かれています。









 第2弾、いかがでしたでしょうか。


 では次回をお楽しみに!

 (五十嵐)