2013年7月2日火曜日

カラー高精細ジャカードテキスタイル作製技術

シケンジョで特許出願中
高精細ジャカード織物を作製するための、
画像処理技術。

前回の研修では、ヨコ糸1種類のモノクロ高精細でした

今回はヨコ糸を2種類(白色と橙色)用いたカラー(まずはセピア)高精細織り技術をご紹介します。
 

 

タテ糸約3000本×ヨコ糸約2000本
タテ糸:黒色
ヨコ糸:白色と橙色を交互


 
タテ糸の黒色糸で陰影を表現。
ヨコ色の橙色糸でマゼンタ部分を表現。 

 タテ糸は黒色糸が整列しているエリアを用いました。
タテ糸は全部で11880本あります。
 
 ヨコ糸は白色糸と橙色糸が1列ずつ積み重なっていきます。
表面に出る比率によって色調が変化していきます。

ペンの先が黒色のタテ糸が並んでいる部分です。

山梨産地は糸段階で染色する先染(さきぞめ)織物産地です。

整経(せいけい)により、タテ糸の巻物(ビーム)を糸の配色毎に1本ずつ変えることもできます。

次の写真のように、タテ糸段階でさまざまな色の配列をさせることができます。

1本毎に交互に並んだタテ糸をヤスラと呼びます。

こちらはレッド(R)、ブルー(B)、イエロー(Y)の3色ヤスラ。

RBYRBYRBY・・・・・・・・が約3000本並んでいます。

ヤスラの配色によって、綺麗なシャンブレー効果も生じます。←シャンブレーの極致、玉虫甲斐絹参照

タテ糸3色ヤスラ×ヨコ糸2色(白と橙)。

********以下、作製時の画像処理方法の一部を簡易的に示します。********

人物の顔の場合、肌色が多いためマゼンタのカラーチャンネルを取り出します。

CMYKのチャンネルでマゼンタだけ取り出しました。拡大すると・・・

この段階ではマゼンタっぽい部分が256階調になっています。

カスタムのディザ処理を行って白黒の2値化処理を行います。

マゼンタの部分だけの処理を行いました。

他の強調するカラーチャンネルにも処理を行い、レイヤーを重ねて柄部分のデータが完成

マゼンタ部分を赤に塗り替え、陰影部分を黒で重ねました↓。
(マゼンタ部分以外は緑に塗り替えています。)


ディザ処理を応用したカスタム処理(特許出願中技術)を1~3種類(例えば、黒とマゼンタに適用)のカラーチャンネルに適用したものを重ねて完成します。

塗り替えた色部分には、

それぞれタテ糸とヨコ糸が交差するときにタテ糸が上がるのか、または下がるのか指示を与えます。

画面の緑部分は、ヨコ糸の白い糸が表面にきて橙色の糸は裏に回り、赤い部分はその逆に動くように指示を与えています。

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人物の顔の場合、黒とマゼンタに注目しました。

タテ糸の黒色糸を陰影用として用いるならば、

「海と白い雲」の写真であれば、シアンのカラーチャンネルにカスタムのディザ処理をして、黒のカラーチャンネルに同様に処理したものを重ねるのが良いでしょう。

フルカラーにするには、

タテ方向解像度は若干落ちてしまいますが、

これらの処理をするカラーチャンネルを増やしていくことで可能になります。

フルーツ柄で3~4種類のヨコ糸を使った、フルカラー生地(I主任作製)がコチラ!!

 拡大してみると、テレビ画面のようになっています。
 
研修(無料、原則として県内企業の方)においてこれらの技術を伝授できますので

ご興味のある方はシケンジョにお問い合わせください。


(上垣)