そう、山梨は日本最古、最大のワイン産地。日本のワインの約4分の1は、山梨県で作られています。
桃の花が満開になった甲州市で、客員研究員の鈴木淳さんと一緒に、ワイナリーを訪問してきました。
テーマは、生産現場で自社の魅力を伝えること!
山梨県には、メルシャン、サントリーなど大手ワイナリー 以外に、数十軒の地元生まれの小さなワイナリーがあります。
そんな小さなワイナリーたちはこの数十年、大手酒造会社の下請けからの脱却をめざし、苦心して腕を磨き、自社ブランドを立ち上げ、自らの魅力を発信してファン作りをすすめてきました。
こうしたテーマは、ワインだけでなく、テキスタイルなど様々な地域産業にも共通するものです。
近年、世界的に評価の高まる山梨のワインメーカーでは、生産現場でどのような情報発信やブランド戦略をとっているのでしょうか?
訪問したのは、株式会社ルミエール。創業は1885年、なんと今から127年前からの老舗です。
最初に案内してもらうのは、ぶどう畑。ルミエールの工場見学も、ぶどうの栽培現場から始まります。
これはテキスタイルメーカーでいえば、桑畑&お蚕さん、綿花畑、牧場の羊見学からスタートするようなものですね。
上の畑は、フランスの赤ワイン醸造用品種「メルロー」の畑です。
ふつうのぶどう畑とは違って、針金で作った天井のような棚がありません。
ここでは、ぶどう狩りでおなじみの棚栽培ではなく、ヨーロッパ式の垣根栽培が採用されています。
これはテキスタイルメーカーでいえば、桑畑&お蚕さん、綿花畑、牧場の羊見学からスタートするようなものですね。
上の畑は、フランスの赤ワイン醸造用品種「メルロー」の畑です。
ふつうのぶどう畑とは違って、針金で作った天井のような棚がありません。
ここでは、ぶどう狩りでおなじみの棚栽培ではなく、ヨーロッパ式の垣根栽培が採用されています。
生食用のぶどう畑に比べて、株を多くし、間隔をせばめ、枝を少なくすることで、ワイン醸造に適した濃いぶどうを収穫するためということです。
山梨では十数年前から、さまざまなワイナリーによってこうした垣根栽培による本格的なぶどう作りが行われています。
お話を伺ったのは㈱ルミエールの木田茂樹社長。ワインにかける情熱、お客様に提供するサービスのクオリティの高さへのこだわりが、ひしひしと伝わってきました。
ぶどう畑の次は、いよいよ工場へ。
ここで目を引いたのは、1901年に作られたという、古い石造りの醸造用の石蔵発酵槽。 文化庁の登録有形文化財にも指定されています。
上にフタ、下に栓のある地下室のような建造物です。いまでもこのタンクでワインが作られ、「石蔵和飲」として毎年ヴィンテージボトルが発売されています。
上にフタ、下に栓のある地下室のような建造物です。いまでもこのタンクでワインが作られ、「石蔵和飲」として毎年ヴィンテージボトルが発売されています。
石蔵の隣には、熟成中のワインが眠る樽の貯蔵庫があります。
生産現場の一角ですが、これが工場?と思ってしまうくらい格好良い。まるで博物館か美術館のような美しさです。
かつては値ごろなワインを大量生産していた時代もありましたが、海外産地の隆盛の中で、より付加価値の高いワインを作るようになってきたということです。
樽での熟成はコストも高く、量も作れません。しかし高付加価値商品としてブランド力をつけ、数量を減らしたことで工場のスペースはゆとりが生まれ、このように歴史を感じさせつつ整然としたたたずまいの樽貯蔵の風景が生まれました。
古い歴史を持ちつつ、時代に合わせて変化してきたからこそ、この格好よさが実現できたのですね。
樽での熟成はコストも高く、量も作れません。しかし高付加価値商品としてブランド力をつけ、数量を減らしたことで工場のスペースはゆとりが生まれ、このように歴史を感じさせつつ整然としたたたずまいの樽貯蔵の風景が生まれました。
古い歴史を持ちつつ、時代に合わせて変化してきたからこそ、この格好よさが実現できたのですね。
見学ルートの順番は前後しますが、上の写真はスパークリングワインの熟成風景。ビンの中で発酵し、泡のもとになる炭酸が生まれます。逆さになっているのは、ビンの口に澱を集めるため。
澱がうまく口の部分にたまるように、ボトルを一本一本ときどき手で回す作業が必要なのだそうです。
澱がうまく口の部分にたまるように、ボトルを一本一本ときどき手で回す作業が必要なのだそうです。
集められた澱は、ビンの口の部分だけを凍らせる機械で固めて取り出され、コルク栓でふたをされます。
下はエントランスに戻る回廊。ワイン樽の木を再利用してフェンスが作られています。
畑→醸造所→貯蔵庫を回って一周すると、ワインショップに戻ります。
ワインづくりの魅力をたっぷり味わってから、ここで生まれた、ここでしかできないワインを選びます。
なんて楽しい工場見学!ここで一日過ごしに来るお客さんもいるのだとか。
ワインづくりの魅力をたっぷり味わってから、ここで生まれた、ここでしかできないワインを選びます。
なんて楽しい工場見学!ここで一日過ごしに来るお客さんもいるのだとか。
いかがでしたか?
フランスのことわざに、「肉は骨の近くが一番美味く、食事は地面に近いところが一番美味い」というのがありますが、「生産現場でぶどう畑を見ながら楽しむワインが一番美味い」と言えるかもしれません。
生産現場が、ただ作るだけでなく、情報発信の場であり、レジャーの場であり、消費する場でもある。モノを作るというのは、モノを作るだけでは終われないことを感じました。
山梨のワイナリー訪問第2回は、「ルバイヤート」ブランドの丸藤葡萄酒工業㈱をご紹介します。
フランスのことわざに、「肉は骨の近くが一番美味く、食事は地面に近いところが一番美味い」というのがありますが、「生産現場でぶどう畑を見ながら楽しむワインが一番美味い」と言えるかもしれません。
生産現場が、ただ作るだけでなく、情報発信の場であり、レジャーの場であり、消費する場でもある。モノを作るというのは、モノを作るだけでは終われないことを感じました。
山梨のワイナリー訪問第2回は、「ルバイヤート」ブランドの丸藤葡萄酒工業㈱をご紹介します。
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創立 明治18年(1885年)
本社 〒405-0052 山梨県笛吹市一宮町南野呂624番地
TEL:0553-47-0207/FAX:0553-47-2001
山梨県によるワインのポータルサイト。山梨ワインの情報がたっぷり掲載されています。
(文:五十嵐 写真:高須賀)
(文:五十嵐 写真:高須賀)