講師には株式会社ハーズ実験デザイン研究所 代表取締役、METAPHYS 代表のムラタチアキ氏をお呼びし、山梨県の地場産業の為の2日間にわたる特別デザインセミナー※となりました。
受講生も、宝石加工業者さんから家具職人さん、また小麦粉などの食品メーカーさんまでおり、様々な思いを持った地場産業の方々が白州の山奥に集まったのでした。
織物産業からは傘の槙田商店、ウェディング生地の宮下織物の2社が参加しました。そして、特別枠としてシケンジョからは僕、高須賀が参加したので、そのセミナーの模様をお伝えしようと思います。※この2日間のセミナーは、やまなしモノづくりデザイン塾 実践コースA[商品発想演習]の第4、5回目にあたります。
ムラタ氏は、場の持つ力を非常に大事にしているとのことで、デザインやクリエーションをする時、この「場力(ばぢから)」を利用するらしいです。今回このセミナーに参加した方にも「場力」を体感してもらうために、わざわざこの様な場所で行うのだと語ってくれました。
ただの四角い会議室でアイデアを出しても、その四角い場所以上のアイデアは出ない、というお話は妙に納得してしまいました。
会場は全面ガラス張りで気持ちの良い自然光が降り注ぐ空間。
まさに場力を感じる場所です!
難点は、明るすぎてプロジェクターがに映し出された画面が見づらかったこと。。ともあれすごく素敵な場所です。
今回のセミナーの内容はモノの中にある感性価値を知ることです。
感性価値とは「安い」「カッコイイ」だけではない、モノに含まれる様々な価値感のことを言います。
「見た目がカッコイイ」「安いのに便利」「作っている人の考え方が素敵」「このキャラクターの付いているモノはすべて欲しい」など、消費者がモノを買いたくなる理由は、人それぞれの価値感の違いと感性価値を発信するモノとがリンクすることで生まれます。
そしてモノづくりとは受け手(消費者)と送り手(商品)の両者の関係あり、はじめて成り立ちます。
感性価値を知ることで、受け手(消費者)と送り手(商品)を円滑に結びつけることが出来き、自社の製品も売れるようになる、というのがこのセミナーの目指すところです。
まず何も考えず、第一印象で好きなグラス順に順位を付けていきます。
次に一つ一つのグラスの作られた背景や歴史などのうんちくを聞き、同じように順位をつけなおします。
知識が入った時、モノも価値が上がったり下がったりすること、また人それぞれの価値観の違いを感じることで、深く感性価値を探っていきました。
手に持った感触、色や質感、使いやすさ、人それぞれ見ているところが全く違ってきます。
感性価値を知ったところで、次に自社の商品の感性価値を探っていきます。
売れる為にはどの様な感性価値を高めればよいのか。ムラタ氏のアドバイスのもとアイデアを出していきます。
最後はプレゼンテーション。
自社の製品の立ち位置、これからどのような戦略で感性価値を高めていくかを発表しました。
こちらの写真は宮下織物の渡辺さんの発表。
こちらは槙田商店の羽田さんのプレゼンテーション。
僕もちゃっかりプレゼンテーションしてきました。
この様な場所で話をする機会があまりないので、ドキドキでした。
参加してみて、いろんな意味で勉強が出来たと思います。ムラタチアキ氏による感性価値のお話はもとより、他の業種の人たちと出会えたことはとてもよかったことです。
業種は違えど同じ産地の人たちが同じ場所に集まり、それぞれの問題を共有できたことは、心強い仲間が増えたようで、これからの山梨の産業の連帯感を強く感じました。
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