2014年12月2日火曜日

京丹後のシケンジョ(ちりめん産地)

ちりめん産地で繊維の試験法に関する研究会があり、京丹後のシケンジョ(京都府織物・機械金属振興センター)及びちりめん製造企業さんを訪問してきました。まず、今回は京丹後のシケンジョさん紹介です。

以下6枚の写真は、全国のシケンジョが集まって、繊維の試験法に関する研究会での発表の様子(一部)です。日々のJIS(日本工業規格)試験(主に繊維ジャンル)を通しての問題点提起や各産地の状況・研究テーマ・支援策に関して協議しました。


山梨の産地概況、頻出クレーム事例(及び一部その解決策)も発表してまいりました。
 




ここからは、カケンテストセンターの先生による機能性試験に関する講演の様子。

銀染(ぎんぞめ:当シケンジョ(山梨県富士工業技術センター)開発技術では、まさにこちらの抗菌性試験(菌液吸収法)を必須試験項目としています。


シケンジョでも機能性に関する研究も実施しておりますので、タイムリーな内容でした。

以下は、京丹後のシケンジョ*見学に関する写真です。
*京都府織物・機械金属振興センター






 入ってすぐのオープンスペースに織物相談室がありました。


 





この機械はちりめん産地ならではの評価試験機。
シルク糸むら等の品質を検査する機械で、糸1本を動かしながら測定する機械。

 織物の後加工や洗い場。











こちらもちりめん産地ならではの機械。 
シルクへの強い撚りを留めるために、もともと付着しているニカワ状物質のセリシンを濡らしながら
撚ります。これを見た時、濡れ巻き(ぬれまき)を思い浮かべました。
山梨産地では、伝統の「濡れ巻き整経」というこちらは経糸(たていと)を準備する工程で、セリシンを除去したシルクを、湿った状態で整経する技術があります。
それぞれ、効果や狙いは異なりますが、湿式の工程というものが、鍵を握っています。
 

撚糸の機械エリアが大きいことも、産地の特徴をあらわしているのではないかと思いました。

こちらは、当シケンジョでも着手したことがある「アレンジワインダー」。 
いろんな糸を任意の長さで結びつけて1本のコーンにするマシンで、開発には兵庫県のシケンジョさんも携わっております。




なんと、「炭素繊維」を「既存織機」で織物にされていました。
非常に難しい技術です。炭素繊維はある方向に曲げるとすぐ切れてしまいますし、カスも出るかと思います。
京丹後のシケンジョでは現在、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の研究会を立ち上げているそうです。




 サンプル作製専用の織機。










  多くの受賞作品たち。





機械関係設備も充実していました。


 この後、ちりめん製造企業さんの見学へ。

その様子は、また後日お伝えしたいと思います。

(上垣)