8月27日、今回で4回目となるヤマナシ織物産地バスツアーが行われました!!
その名も「ヤマナシ ハタオリ トラベル 夏の産地見学バスツアー」!!!
シケンジョプレゼンツの今回のバスツアー。繊維産業に携わるクリエーターやライターの方々をチャーターしたバスで産地に来てもらい、工場見学をしたあと、富士吉田の一大イベント「ススキ祭り」まで見てもらおうという、いつになくスペシャルな内容となっています。
エキュート立川で好評開催中のイベント「ヤマナシ ハタオリ トラベル」と同名ですが、こちらのトラベルはプロ対象のBtoB、出会いと交流の場を目指してのプロジェクトです。
それでは、2012年の夏に繰り広げられた熱い産地見学ツアーの模様をご紹介しようと思います。
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まず、最初に向かったのが傘生地から傘の組み立てまで一貫生産している槙田商店へ。 なんとその歴史は古く140年も前から洋傘の生地を織っている、日本の洋傘生地界のパイオニア的存在です。
やはり傘づくりも生地の生産から始まります。職人じきじきに織機の違いや、織れる生地の種類などの話をしていただきました。
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こちらは織機の裏側。1万本以上の経糸が寸分の狂いもなく動いています。 織物とは(織機=機械)が織っていくのですが、糸は細く繊細なため、織機のスイッチ一つでかんたんに織れるわけではありません。細心の注意をはらって織機に向かう職人がいるからこそ、きれいな生地が織りあがります。 |
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こちらはジャガード織機の吊り紐、通糸(つうじ)。この糸一本一本が動いてタテ糸を操作していきます。 |
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織り工場を見たあとは、傘の組み立ての工程の見学です。 |
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何枚も重ねた傘生地を鋭く研いだ専用の包丁で三角形にカットしていきます。 |
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傘の部品。 すべて手作業で組み立てていきます。 |
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こちらの傘は、最近槙田商店が出展した展示会で反響を呼んだ、10枚の違った生地を使った日傘。透かすととてもきれいです。 |
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次に向かったのがリネンの織物を得意とするテンジン。 |
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工場に入る前に、リネンのことや織機のことを教えてもらいました。 |
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有限会社テンジンでは古い織機を使うことでしか作ることの出来ない、風合いのよい織物を織っています。 |
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工場の見学を終え、テンジンのショルームで一休み。 |
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リネンの織物は洗えば洗うほど風合いが増し、黄なりだった生地は白く変化していきます。 |
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リネンの肌ざわりに思わず笑顔。 |
テンジンを後にし、次に見学しに来たのは、糸や生地の染色と後加工のエキスパート、株式会社富士セイセン。
先染め織物では糸を染めてから織るため、糸の色管理も重要です。染色工場棟では染料の調合などデータを管理する部門や、カセで糸を染める染色機を見学。そして加工を主に行う棟では様々な後加工をする巨大な装置を見学しました。織りあがった生地を様々な機械に通すことでビックリするほど生地の質が変わっていきます。さまざまなブランド品を手掛ける高度な技術とその設備は写真NG、お見せできないのが残念です。
ひと通り工場を見終わり、つぎに向かうはシケンジョです!
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ここではネクタイ生地を専門に織る渡小織物と、ウェディング生地を得意とする宮下織物の二社がバスツアー参加者を出迎えます。
写真の4人は渡小織物とバスツアーに参加していたファッションブランドのネバアランド。
両者は昨年の山梨産地ツアーがきっかけでコラボレーションが始まりました。その時にできた女性用ネクタイの「リボニッシュタイ」は各メディアにも取り上げられ、今でも大好評。「ネバアランド」ブランドの顔といってもいい存在に成長しています。ネバアランドの3人が胸につけているのがそのリボニッシュタイです。 |
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宮下織物のテキスタイルデザイナー、宮下珠樹さんのプレゼンテーション。次々に魅力的なテキスタイルが紹介され、みなさん真剣にきいています。 |
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シケンジョからは明治時代から集めた「甲斐絹」のお話。織物を知っている人ほどこの技術力の高さに驚いている様子でした。 |
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そして、ひととおり見学が終わり、バスツアーメンバーと産地の職人の懇親会。 工場を見てから職人さんと話すことで、ぐっとクリエーターと職人との距離が近くなっているように見えました。 |
ここで終了と思いきや、まだまだバスツアーはつづきます。
最後に向かうは、
日本三大奇祭といわれる富士吉田の火祭り2日目の「すすき祭り」 !!!
漆塗りの真っ赤な御神輿が富士吉田中を練り歩き、最後は富士浅間神社の境内の中を7周まわり奉納されます。
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境内の中を回る御神輿にススキを持った人々が付いていきます。 |
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御神輿の担ぎ手のみなさん。 |
お祭りの勢いに圧倒されながら、バスツアー終了。今回のバスツアーはススキ祭りの力も借り、壮大なフィナーレとなりました。なんだかいいことありそうです。
今年度のバスツアーはあと2回企画予定です。もっとこの織物産地のことや地域のことを皆様に知っていただく為に、楽しく愉快なバスツアーを企画し、もっともっと産地のものづくりが元気になるようになればいいと願っています。そして産地と外部のデザイナーなど、ものづくりに携わる方々同士のネットワークを強く、太く育てていくお手伝いをしていきたいと思います。
ご興味のある方、次回はぜひご参加を!
(高須賀)