「FUJIYAMA TEXTILE PROJECT」とは、東京造形大学准教授でファブリックブランドOTTAIPNUのテキスタイルデザイナーでもある、鈴木マサル氏監修のもと「既成概念にとらわれない、新たな繊維製品の開発」をテーマに行っているプロジェクトです。
郡内織物産地はOEM(受注生産)の産地であるため、オリジナルのブランドや商品がもともと少なく、一般への知名度もあまりありませんでした。
その状況を打開しようと、富士吉田の織物メーカー8社が集まり自社製品の企画をし始めたのがこのプロジェクトの始まりです。
そこに鈴木マサル氏の協力を得て、東京造形大学でテキスタイルを学ぶ学生とのコラボレーションが決まりました。シケンジョもプロジェクトを円滑に回す為にメンバーに加わり、産学官のスーパーコラボレーション企画としてスタートしたのでした。
3年目となる今年、東京造形大学の学生のあいだではプロジェクトの人気もあがり、たくさんの参加希望者がありました。鈴木マサル氏による厳しい審査のすえ、学生8人が選抜され、企業とのマッチングが決定し、今年の「FUJIYAMA TEXTILE PROJECT」がスタートしました。
毎年、出来た商品は都内の展示会で発表されています。今年は11月におこなわれる、デザインの祭典「TOKYO DESIGNERS WEEK 2011」での発表が予定されており、学生たちも気合十分の様子です。
今年から初めてプロジェクトに参加する学生もいるので、まずは郡内織物産地を知ってもらおうと工場見学を行いました。
テキスタイルを学んでいる学生さんたちですが、工業的な織物生産に使われる本格的な織機を生で見るのは初めて、という方も多いようでした。繊細でかつ力強い織機の動き、そして織機を手足のように操る職人さんたちの姿は、彼女たちの目に強い印象を残したにちがいありません。
今回、学生さんたちによって沢山の種が産地にまかれていくのを感じました。産地が一丸となり、この種を一つ一つ大事に育てていければ、魅力的な花が咲き乱れる、素敵な織物産地になるのではないでしょうか。
そんなモノづくりの息吹を感じる工場見学会でした。
次回は2009年、一年目に行われたRinでの成果品発表の様子をご紹介します。 (高須賀)
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