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2013年1月21日月曜日

銀染トレードマーク

こんにちは。
微量金属(銀、バナジウム)による新しい染色研究担当Uです。
これまでに銀染ginzomeを技術的な側面からご紹介させていただきました。

そして今日は、なんと!この技術の顔となる商標(トレードマーク)の、マーク誕生までのプロセスに関するメモが記載された【極秘?手帳】を入手しましたので、今回はデザイン的な側面からご紹介させていただきます。
なお、このマークは山梨県が商標権を取得しており産地企業さん等が利用できる仕組みを準備しているところです。

 
↑トレードマーク。
 
 
こちらは銀色のginzome糸で織り上げたトレードマークの登録証を織物で作った複製品です(右が紙の本物)。
実はこのトレードマーク 、
激戦のシケンジョ選考会を勝ち抜いたマークで、微妙な曲線のカタチは、銀イオン化学記号のAg+(エージープラス)をイメージ、さらに糸のコーン及び富士山のシルエットをイメージ・・・・といった隠された意味づけが(シケンジョテキに)なされています。

この他の様々なマーク候補がシケンジョ職員の【極秘?手帳】に残されているのが今日発見されました。
考案プロセスやメモが面白いのでご紹介します。聞くところによると電車の中で考案されたとか・・。
 
  ねじり状の糸や、長短糸2本が並んだもの、銀イオンで光っているもの。
 
 
 スタイリッシュな細い糸2本のものや軽くおじぎしたもの。
 
 
Agからモジった布状の反物風。

 
業界用語ですが「2重ビーム」(たて糸の巻物×2本)を真横から眺めたカタチ(に見える)もの。
そして、スソを広げてコーンや富士山のカタチに近づけたAg+。

実は、最終決定したマークにはさらに【キラキラ感】を増幅するため、+の周りに点々を付け足す工夫もされています。 きめ細やかな気配りに驚きです。

微妙にカタチを変化させているだけでもこれだけの見せ方があり、かつトレードマークは技術の顔になると思うので、一つに絞ることが難しかったのですが、
最終的にはシケンジョで投票を実施して、先のマークが誕生しました。
 
こちらは銀染ginzome最新技術によるシルク。 
シルク等のタンパク質繊維を銀溶液で染めるシケンジョ技術、銀染(ginzome)
従来、茶系統しかできませんでした。つまり銅っぽい(銀なのに・・)。
銀で染めた銀色が欲しい、抗菌のイメージを重視する方から白系も欲しいという要望にお応えすることが可能となりました。
 
  
 
この、美白剤?!(2-メルカプトエタンスルホン酸塩=MESNA、医薬品でもある)を用いた白系の銀染ginzome技術(仮称:白銀はくぎん) は特許を取得できました。
銀で銀色(及び白銀)バージョンの銀染ginzome商品は産地企業から今後プロデュースされる予定ですのでご期待ください。
 
(上垣・五十嵐・高須賀)





















2013年1月17日木曜日

墨田区の元気な企業を視察してきました

富士吉田商工会議所が主催する視察研修に参加してきました!!
今回お邪魔したのは、メリヤス編みを得意としている小高莫大小工業㈱とお弁当やパーティーの料理などを作っているサンエー㈱。

ヤマナシからは繊維産業に携わる方から食品産業の方、主催者合わせて総勢20名近くの人数でバスに乗り込み墨田区へと向かいました。


まず最初に向かったのが小高莫大小工業㈱

小高莫大小工業㈱はメリヤス編みを得意とする製造元で、作っている生地の用途としてはポロシャツの襟の部分や、リブ(袖の部分に使われている編み方)に使われるモノが多いとのことです。


会社の外観はまるでマンションの様!こんなところで大きな機械を使う製造業ができるのかと不思議にに思いながら会社の中へ入っていきました。

こちらの方が小高社長。さっそく案内して頂きます。
最初に見せいていただいたのが、とても古い型の丸編機。
グルグルと回転しながら生地を編んでいきます。編物は織物と違っていわゆるタテ糸が存在しません。
ヨコ糸同士を絡ませていくことでテキスタイルを作っていきます。編物は伸び縮みする特性があため、伸縮性の必要とするTシャツやパーカーなどの服に使われることが多いです。
糸の流れがとても美しいです。
緻密に動く、編機の動きを見ていると、まるでSF映画の世界に入ってしまたかのよう。。
ところかわって、こちらは横編み機。丸編機とは違って往復運動で生地を編んでいきます。


リブ編機の生産スピードはあまり早く出来ないのですが、丸編機では作ることのできない、編物のミミができることが特徴です。

織物でいうところのシャトル織機の様な立ち位置ですね。
ポロシャツの襟はこの横編機で編んだミミつき生地を使わないと、端がほつれてきてしまいます。
編紐を作る小幅の編機。
手動だったモノを改造し、機械の動力で動くようになっていました。
編物のデータとなるのがこの金属の棒。
織物でいうところの紋紙にあたるのがこの金属の棒です。
こちらも編み物のデータ

編み機の生産現場を見学し、次に向かったのがこちら。

染め工場!!
なんと小高莫大小工業では編み物生産だけではなく、染め工場まで完備しているのです!
この染工場は、大量に染める場所ではなく、サンプル染めなどや小ロットのものなど、染め屋さんに頼むと時間がかかってしまうものをここで行い、お客様にクイックな対応するために作られた、いわば染色ラボ的な場所です。


また、在庫管理にも一工夫がありました!
普通、製造業をやられている企業さんでは、生地を数メートルからの小ロッドの発注をうけることは、とても大変な作業でやらないことが多いのですが、小高莫大小工業では1メートルからの発注を受けています。それを可能にしているのが在庫管理方法。生地を畳んでしまう時に、50cmの蛇腹状にしておくことで、生地を長さを計らなくても生地を裁断することができ、このおかげでクイックにお客さんに届けることができるようになっていました。
こちらは自社ブランドの「MERI」
MERIはメリヤス編みの紐を使い作った布ぞうりのブランドです。


MERIのぞうりは一つ一つ丁寧に、手づくりで作られていいます
小高莫大小工業の屋上から見えるスカイツリー

次に向かったのがサンエー株式会社。
サンエー株式会社はお弁当やパーティー用のオードブルなど、食に関わるお仕事をされている企業です。
サンエーとは3つのエ―(良い)ことという意味をこめられており、3つのエ―こととは自社、下請け、そして消費者にとってエ―ことをやっていきたいという思いからつけられた名前とのことです。
見学用の白衣に着替え、いざ工場見学へ!!
こちらは弁当を入れる箱が積上がっています。
この時は見学することができなかったのですが、このベルトコンベアの周りにパートの方が並び、すごい速さでお弁当を詰めていく職人技があるらしいです。
サンエーの企画した「ちゃんこ巻き」はテレビの取材でも取り上げられるほどの大人気。
デザイナーさんと一緒に考えた企画で、墨田区の主催する「すみだモダン2011」の認定商品にも選ばれています。

もともと「ちゃんこ」という意味は親方(ちゃん=親)と弟子(こ=子)が一緒に食べる食事という意味らしく、それにちなんで鳥肉(親)と卵(子)を中心に作られた太巻きになっています。他に縁起物にちなんだ食材がふんだんに使われており、食べただけでいいことがありそうです。
墨田区の企業見学を終え、そのあとは墨田区の取り組みの話をお聞きしました。
印象に残ったのが「すみだモダン」。
「あたらしくある。なつかしくある。」というコンセプトのもと、きらりと光るセンスの高いもの(工芸品から食べ物までざまざまなもの)が認定商品として選ばれています。面白いので是非見てみてください。

すみだモダン
最後は今話題の「ソラマチ」を見学
夜のスカイツリーを横目に、バスに乗り込み山梨への帰路につきました。


(高須賀)

2013年1月4日金曜日

2013 A HAPPY NEW YEAR !!!


謹   賀   新   年

 
あけましておめでとうございます!

新年第一弾PHOTOは、織物工場の富士山!

織機の通糸(つうじ)がつくりだす、ジャカード富士です。

2013年も、シケンジョテキならではの視点でヤマナシ産地の魅力を

どしどしお届けしたいと思います。
今年もシケンジョテキをどうぞよろしくお願いいたします!!

(シケンジョテキ編集部一同)