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2011年8月18日木曜日

Nishikatsura Orimono Map

ドリフターズ・サマースクールの西桂織物産地見学ツアーの時に作った「Nishikatsura Orimono Map」です。

西桂は小さな地域に織物会社が密集しており、マップに載っていない織物会社も沢山あります。
富士山から流れる桂川など、自然にあふれた気持ちのよい風景が広がり、街を歩けば織物を織る音が聞こえる、そんな織物産地です。
近くの三ツ峠駅からは三ツ峠へ登山者も多く、自然と人の生活が混じり合う素敵な空気が漂っています。
ちなみに西桂町のシンボルである三ツ峠は、標高1,700m級の山です。行くときはしっかり準備していってくださいね。



このニワトリは武藤株式会社のマスコット「ピヨキチ」
心の広いニワトリで赤いボヨボヨを触っても、怒りませんでした。









特別シンポジウム 「日本のモノづくりの可能性と未来」

午前中、電光石火のスピードで西桂織物産地を見学し、午後からは特別シンポジウム「日本のモノづくりの可能性と未来」を開催しました。
当センター客員研究員の鈴木淳さん(台東デザイナーズビレッジ村長)の司会のもと、パネリストのプレゼントークから始まり、後半は9班に分かれ、会場全員が意見を出し合い、日本のモノづくりを面白くする為に、この産地で何ができるか?ということを考えていきました。


9班の代表が話し合った結果を発表していくのですが、強行スケジュールでほとんど時間がなかった状況下でも面白い意見が飛び交い、様々な目線から産地を眺め、未来につながるようなプランを聞くことができました。「MADE IN FUJIYOSHIDA!!」と題して、製造国の表記ではなく製造地域のタグを作ることで、活発な日本の産地をアピールする案や、富士山人気にあやかり、富士の登山道で郡内織物産地の服を使ったファションショーを企画する案など、斬新でエネルギーに満ち溢れた案が沢山うまれ、活発な議論の場となりました。


今回、産地の中からはでは気付かないことを、サマースクールの方々に意見をいただき、産地ブランディングの新鮮な切り口やアイデアが沢山見えてきたことは、産地のこれからを考える為の非常に大事な情報になると思います。


この実りの多いシンポジウムの開催にあたり協力してくださった産地企業の皆さま、そしてドリフターズ・サマースクールの関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。


この出会いが、また大きな流れになることを願っています。




【シンポジウム パネリスト】
司会:鈴木淳(台東区デザイナーズビレッジ村長/ソーシャルデザイン研究所代表)
金森香(ドリフターズインターナショナル理事/シアタープロダクツ
山縣良和(リトゥンアフターワーズ/ここの学校
玉井健太郎(アシードンクラウド/DSSファッションコース講師)
中村茜(ドリフターズインターナショナル理事/プリコグ代表)
前田市郎((株)甲斐絹座/(株)前田源商店
宮下珠樹(宮下織物(株)
五十嵐哲也(山梨県富士工業技術センター主任研究員)


シンポジウム会場の様子。




機屋さんも真剣です。





「富士に一泊して織リジナル」案
郡内織物産地に一泊くし、モノがつくられる現場を見学すると同時に、自分でもネクタイやコサージュなどの小物をデザイン。自分が作ったもの家まで持って帰ることのできるツアーを企画したらどうだろうか、と7班班長の金森香さん




他の班の発表に耳を傾けるサマースクール受講生。




最後はみんなで記念撮影。




ドリフターズ・サマースクールバスツアーin山梨 「生地をもっと知ろう」

シアタープロダクツの金森香さん、フジワラテッペイアーキテクツラボの藤原徹平さん、プリコグの中村茜さん率いるNPO法人ドリフターズインターナショナルが主催しているドリフターズサマースクールの受講生さんたちが我が郡内織物産地にやってきてくれました!!!!
シケンジョでは名だたるデザイナーの方々とエネルギッシュな若きクリエイターを出迎えるべく、ここ数週間は準備に準備を重ねウェルカム体勢を整えていました。
今年で二年目になるドリフターズサマースクールとは、一般から応募したクリエイターがダンス、ファッション、建築、制作の4コースに分かれ、ジャンルの垣根を超えたクリエーションを行う、夏のスペクタクルな企画です。総勢70名の若き才能が一丸となり、一つの作品をうみだすエネルギッシュな公演は、この夏必見です。
今年の公演で使われる衣装は郡内織物産地の機屋さんから提供された生地で制作されることになっています。シケンジョではクリエーターの方々に、ここの産地の生地がどの様に出来上がるのかを知ってもらい、サマースクールのクリエーションに活かしてもらえれば、ということで今回の産地見学会をサマースクールとタイアップし企画しました。
サマースクールの受講生さんたちは初めて目にする織機に興味津津。
機織りの音をサンプリングして音楽にするという人たちも現れ、産地から発想するクリエーションがさっそく始まっていました。
ますます今年の公演が楽しみです☆

 
50名近くもの若きクリエーターを出迎えるべく準備に余念のない五十嵐リーダー&巨大バス
コンピュータの原型になったといわれるジャカード織機は、もともとは紋紙という穴のあいたカードでデータを読み込ませ、布を織っていましたが、今ではコンピューターと連動しており、大きくて複雑な柄も容易に織ることができます。この織機では一度に6000本のたて糸を自在に動かすことができるそう。

機関車の様な古い織り機が現役で動いているのはこの産地の特徴。ゆっくりと丁寧に織りあげていくこの織り機でしか織れない生地も沢山あり、それらも同時に見せていただきました。
一本ずつ手作業で作られる傘作りの現場。 上糸だけで縫うことのできる傘専用のミシンやこの業界独特の道具などに受講生さんたちは興味津津。
200年以上も前の貴重な織物見本帳。ハリーポッターの世界に出てきそうなくらいの重厚な本で、とにかくカッコイイ!!バブル時代は収集家もいたらしく、一冊100万円以上の値がついたという話も‥。

サマースクールの皆さんと改めてこの産地を見ていくと、産地からでは気づかない新鮮な気づきやアイデアが生まれるのを感じることが出来ました。 何か生まれそうな予感を各々感じつつ、一行は富士吉田市で開催される午後のシンポジウムに向かいました。



















2011年8月11日木曜日

ファイルNo.1 「大正十一年 染織品流行集」

富士工業技術センターの書庫に眠る秘蔵テキスタイルを紹介します。
大正11年の織物の生地見本帳です。主に着尺地が集められています。

書庫を整理していたらこんなものが出てきました!なんと、タテ糸とヨコ糸が揺らいでいる生地のサンプル。
織物ブランド「ITO」がタテヨコ揺らぎのストールを作っているのは知っていたけど、この密度でタテヨコが揺らいでいるのは見たことがない!!ホントびっくりの生地です。
今このような織物が織れたら、世界のテキスタイルコンペは総なめですね★

このサンプルは「大正十一年 染織品流行集」に収められているので、お時間ある方はぜひ見に来てください。一見の価値ありです。
他にも面白いサンプル生地が沢山あります。







(高須賀)


アクセス

富士工業技術センターは富士山のふもと、ほぼ標高777mにあります。
都心から高速バスで110分で来ることができる郡内織物産地、興味のある方は是非ご連絡ください。
ⓒ2011Google


【交通のご案内】
●富士急行線
JR大月駅乗換 富士山駅より徒歩20分
月江寺(げっこうじ)駅より徒歩15分

●中央高速バス
[富士五湖線] 新宿駅西口より約110分(富士山駅下車)
(予約)
富士急高速バス予約センター…0555-72-5111
京王高速バス予約センター……03-5376-2222

●自動車
中央自動車道河口湖ICより約4.5km


 富士工業技術センター
所在地:403-0004山梨県富士吉田市下吉田2095
TEL:0555-22-2100
FAX:0555-23-6671
E-mail:admin@fitc.pref.yamanashi.jp




















TATAMI TEXTILE

畳をモチーフにデザインしたテキスタイルによる試作品を紹介します。




洋風の部屋に日本の心「畳」の空気感を持って来れたら面白いじゃん!ということで出来たTATAMI TEXTILEシリーズ。


プリントでは出すことのできない、微妙な凹凸感をシケンジョにあるジャガード織機で表現しました。
また、自然素材である畳独特の色合いに近付けるため、シケンジョで開発している「ムラ銀染(ginzome)」の技法を使用し、自然なムラ感と銀による抗菌効果のあるテキスタイルをデザインしました。


まだプロトタイプなので、この産地での生産に向けて日々改良中です。
もしこの生地に興味のある方は是非ご連絡ください。TATAMI TEXTILE生産企業募集中です☆


シケンジョ独自の技法である「銀染ginzome」についての詳しい話は後日ブログにアップします。




2011年8月9日火曜日

ついにスタート!!



はじめまして!「シケンジョテキ」です。
このブログは富士山のふもとのテキスタイル産地にある山梨県富士工業技術センター繊維部が管理する公式ブログです。

織物産地である郡内地域のテキスタイルにまつわる話やまつわらない話、この土地ならではの職人技や産地の魅力をシケンジョ的な目線でお届けしようと思います。
また、シケンジョでは新しく開発している技術や明治時代から集められているビンテージテキスタイルなど利用可能な情報が山のようにありますので、皆様に知っていただき、どんどん利用していただければと考えています。


すべての日本の産地、また消費者や生産者がより近くなることを目指して、シケンジョによるテキスタイル・ブログ、略してシケンジョテキ、ついにスタートします!!!!